「折れ戸って、指を挟んだりしないか心配…」
「折れ戸を設置したいけど、どのような点に注意すればトラブルを避けられるんだろう?」
本記事では、折れ戸の基本的な仕組みから、安全性に関する注意点など、詳しく解説します。本記事を読めば、折れ戸の安全性への理解が深まり、安心して導入するための具体的な対策が見えてくるでしょう。
折れ戸の安全性に関して知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
なお、折れ戸の設置を検討しており、どの製品を選べばよいかお悩みでしたら、ぜひ株式会社TOKOにご相談ください。豊富な経験と専門知識を持つスタッフが、設置場所に最適な折れ戸をご提案いたします。
自社に適した折れ戸の設置にお悩みの方はぜひご相談ください。
折れ戸(折戸)とは?
折れ戸(おりと、または「おれど」とも呼ばれます)とは、複数枚の扉パネルを横方向に折りたたむようにして開閉する構造のドア形式です。
住宅の浴室や収納扉、部屋の間仕切りとして広く採用されています。
省スペース性と開口部の広さから、ストレッチャーや車いすでの出入りが頻繁に求められる介護施設や病院などでも標準的な仕様として設計されているケースが多く見られます。
上吊り式の構造を採用した折れ戸の場合、床面にレールが不要となるため、段差がなくなり、衛生管理や清掃のしやすい点もメリットです。
折れ戸の安全性に関する3つの注意点
ここでは、折れ戸の安全性に関する3つの注意点を解説します。
- 指はさみや転倒時への配慮
- バリアフリー性の高さ
- トイレや浴室での安全性
上記の3つのポイントを押さえておくことで、折れ戸を選ぶ際に事故や使いづらさを避けるための判断材料になります。
指はさみや転倒時への配慮
扉パネルが折りたたまれる中央の稼働部分や、扉と枠の間で指をはさみやすいのが難点です。
小さなお子さんや高齢者が利用する施設では、稼働部分に誤って指を入れてしまう事故のリスクが考えられます。子どもが扉を押して開けようとした際に、反対側から指を差し込んでしまうケースなどが想定されるでしょう。
最近では、指を挟みにくいように隙間を小さくしたり、クッション材を取り付けたりするなどの安全対策が施された製品も増えています。
バリアフリー性の高さ
上吊り式の構造を採用した折れ戸の場合、床面にレールや敷居などの段差がないため、車いすや歩行器を利用する方でもスムーズに出入りが可能です。
また、折れ戸は扉を開ける際の動作が比較的少なく、製品によっては約10度程度のわずかな角度で開閉できるものもあります。扉が手前に飛び出すことがなく、開閉に必要なスペースが狭いため、介護現場や狭い場所でも使いやすいドア形式になります。
トイレや浴室での安全性
脱衣所に折れ戸を設置する場合、開閉に必要なスペースが小さく済むため、狭い空間でも他の人との接触事故を防ぎやすい点がメリットです。浴室用の折れ戸は、介護や育児などで複数人が同時に出入りする際の利便性から、保育施設や介護施設での利用にも適しています。
また、万が一トイレや浴室の内部で人が倒れた場合、開き戸に比べて、折れ戸の場合は扉が内側に折りたたまれるため、比較的救助しやすい構造になっています。
ただ折れ戸は構造上、開き戸や引戸と比較して気密性が低い傾向があるため、トイレに使用した場合には臭いや音が漏れやすい点がデメリットです。
折れ戸とほかのドアとの安全性の違い
ここでは、それぞれのドア形式と折れ戸の安全性の違いを解説します。
- 開き戸との安全性の違い
- 引き戸との安全性の違い
上記の2つの違いを理解しておくことで、使用場所や目的に応じて最適なドア形式を選びやすくなります。
開き戸との安全性の違い
開き戸と比較した場合、折れ戸の安全性は下表のとおりです。
開き戸 | 折れ戸 | |
密閉性・防音性 |
◯ | △ |
設置スペース |
△
(人が倒れると開かなくなる恐れがある) |
◯ (狭い場所に適している) |
故障リスク | ◯ |
△ |
費用 | ◯ |
△ |
指はさみのリスクに関しては、開き戸が主に扉と枠の間、折れ戸は扉パネル同士が折りたたまれる中央の稼働部分に指を挟む可能性があるため、注意が必要です。
故障のリスクに関しては、開き戸は構造がシンプルなため比較的故障しにくいですが、折れ戸は経年劣化や使用状況によっては開き戸よりも故障しやすい傾向があります。
引き戸との安全性の違い
引き戸と比較した場合、折れ戸の安全性にもいくつかの異なる点があります。
引き戸 |
折れ戸 |
|
静音性 |
△ | ◯ |
設置スペース |
◯ (前後スペース不要で開けやすい) |
◯ (開口が広く出し入れしやすい) |
故障リスク | ◯ |
△ |
バリアフリー性に関しては、引き戸は横にスライドするため、力を入れずに開閉できるため、一般的にバリアフリー性が高いとされています。
安全性に関しては、引き戸は構造がシンプルで指を挟む箇所が少ないのに対し、折れ戸は中央の折れ部分や稼働部に指を挟むリスクがあるでしょう。
折れ戸の設置を検討する際の5つのポイント
ここでは、折れ戸を設置する際に確認しておくべき5つのポイントを解説します。
- スペースを活かせるか確認する
- 掃除性・メンテナンス性を考慮する
- 安全性や緊急対応に備える
- 導入コストと交換リスクのバランスを考慮する
- 用途別にレイアウトを選ぶ
上記の5つを事前に確認しておくことで、設置後の使い勝手や安全性に関する後悔を防ぎやすくなります。
スペースを活かせるか確認する
折れ戸のメリットの一つは、開閉時に扉が前後に飛び出さないため、省スペース性に優れている点です。一般的な片開きドアと比較して、扉を開閉するために必要なスペースは1/3程度で済みます。
また、上吊り式の折れ戸であれば、床面にレールを設置する必要がないため、床がフラットになり、掃除がしやすく、つまずきにくい点もメリットです。
間仕切りとして使用する場合、開口幅を最大限に確保できるため、広い空間を一時的に区切る際にも適しています。
掃除性・メンテナンス性を考慮する
折れ戸は、折りたたみ構造上、パネル同士の接合部分や丁番などに凹凸が多くなるため、定期的な清掃が欠かせません。
また、可動部分が多いため、経年劣化や使用頻度によっては、部品の摩耗や破損が起こりやすく、定期的な点検やメンテナンスが必要になります。
製品を選ぶ際には、凹凸が少なく掃除しやすいデザインのものや、カビの発生を抑えるためのパッキン材が使用されているかなどを確認するのがおすすめです。
安全性や緊急対応に備える
折れ戸は構造上、扉パネルの中央部分や丁番部分で指を挟んでしまうリスクがあります。指を挟むリスクを防ぐために、指はさみ防止機能が付いた製品や、ゆっくりと閉まるソフトクローズ機構が採用された製品を選ぶことが推奨されます。
また、トイレや浴室の内部で人が倒れてしまった場合など、緊急時には外部から容易にドアを開放できる構造であることが望ましいでしょう。
トイレや浴室に折れ戸を採用する場合は、チャイルドロック機能や、万が一閉じ込められた際に外部から解錠できる機能の有無なども確認しておくと、安心して使用できます。
密閉性が低い折れ戸の特性を考慮し、プライバシーが重要な場所では、におい漏れや音漏れに対する補助的な対策もあわせて検討しましょう。
導入コストと交換リスクのバランスを考慮する
折れ戸はシンプルな構造の開き戸と比較して、1.5倍から2倍の価格になるケースも珍しくありません。間仕切りとして使用する大型の折れ戸や、特殊な機能を備えた製品は、さらに高価になる可能性があります。
初期の導入コストだけでなく、長期的な視点でランニングコストと、故障による使用不能期間のリスクも考慮に入れた上で、製品を選定しましょう。
レール付きかレールなしかによっても施工方法や費用が変動するため、使用目的や設置場所の環境に応じて判断するのがおすすめです。
用途別にレイアウトを選ぶ
折れ戸を設置する際には、場所の用途や利用者の動線を十分に考慮し、最適なレイアウトを選びましょう。
注意したいのが、折れ戸を開いた際に扉が折りたたまれて手前に出てくる「折り込み部分の飛び出し」です。飛び出し部分が、通路を塞いだり、近くに置かれた家具や設備と干渉したりしないように、設置場所の寸法や周囲の状況を正確に把握し、綿密な計画を立てる必要があります。
必要に応じて床面にレールを設ける「レール有りタイプ」を選択し、デッドスペースを減らし安全性を高める工夫も検討しましょう。
折れ戸を設置する3つのメリット
ここでは、折れ戸を設置する3つのメリットを解説します。
- 限られたスペースでも開閉が容易にできる
- 開放感とフルオープン構造が実現できる
- 上吊式による清掃性と安全性の向上につながる
上記の3つのメリットを押さえておくと、折れ戸を採用するかどうかを判断する際の参考になります。
商業施設が折戸を導入する理由とメリットに関しては、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:商業施設が折戸を導入する理由とそのメリット|イスターカーテン
限られたスペースでも開閉が容易にできる
一般的な片開きのドアと比較すると、扉が前後に動く範囲(デッドスペース)を約1/3に抑えられます。
介護施設や育児施設などでは、車椅子やベビーカーの通行、あるいは介助者が付き添って出入りする際に、扉の開閉が妨げにならないメリットがあります。ドアの開閉による動線の干渉が少ないため、障害物が多い現場でも導入しやすいのが特徴です。
開放感とフルオープン構造が実現できる
折れ戸は、扉を折りたたんで開く構造により、開口部を左右いっぱいまで全開にできる点がメリットです。間仕切りとして使用する際には、まるで壁がないかのような広々とした開放感のある大空間を演出できます。
浴室の扉として使用した場合も、開口部が広いため、介護が必要な方の入浴介助や、点検・清掃作業などがスムーズに行えるメリットがあります。
路面店舗に最適な折れ戸の活用法に関しては、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:路面店舗に最適!折戸で実現する開放的な空間設計と集客力アップ|イスターカーテン
上吊式による清掃性と安全性の向上につながる
折れ戸の多くは、扉を上部のレールから吊り下げる上吊式の構造を採用しています。上吊式構造のメリットは、床面にレールや敷居などの段差がないため、ホコリや汚れが溜まりにくく、掃除がしやすい点です。
また、床面に段差がないため、車椅子やストレッチャーでのスムーズな通行が可能になるだけでなく、つまずいて転倒するリスクを軽減し、安全性の向上にもつながります。
製品によっては、扉の構造自体に指を挟みにくいような安全設計が施されているものもあり、安心して使用できるものが増えています。
折れ戸を設置する3つのデメリット
ここでは、折れ戸を設置する際の3つのデメリットを解説します。
- 構造が複雑で耐久性に注意が必要になる
- 飛び出しスペースの確保が必要になる
- 初期コストが比較的高い
上記の3つのデメリットを理解しておくと、折れ戸の導入を検討する際に想定外のトラブルを避けやすくなります。
構造が複雑で耐久性に注意が必要になる
折れ戸は、複数のパネルを丁番で連結し、折りたたんで開閉する複雑な構造です。
シンプルな構造の開き戸や引戸と比較して、ヒンジ部分や戸車などの可動部品が多いため、劣化や故障のリスクが比較的高くなります。長期間の使用で、扉の動きが悪くなったり、スムーズな開閉が困難になったりする場合もあるでしょう。
また、定期的な清掃やメンテナンスを怠ると、扉パネル同士の接合部分や、レールとの接触部分などにホコリや汚れが溜まりやすい側面もあります。
飛び出しスペースの確保が必要になる
折れ戸を開閉する際には、折りたたまれた扉パネルがドアの軌道上から手前、あるいは奥に一定量飛び出すスペースが必要です。
スペースを確保しておかないと、小規模な施設や備品が多い空間では、飛び出しスペースがデッドスペースとなり、レイアウトの自由度を制限してしまうでしょう。
また、折りたたんだ扉が壁際に収納される場合でも、人や物と接触する危険性があるため、十分なスペースを確保したレイアウト設計が必要です。
初期コストが比較的高い
折れ戸は複数のパネルや丁番など多くの部品で構成されており、構造が複雑で部品コストや、精密な組み立てが必要であるため、製品自体の価格が比較的高価になりがちです。
また、折れ戸タイプの間仕切り戸などを設置する際には、専用のレール施工が必要になる場合があり、工事費用を押し上げる要因となります。
公共施設や病院などで広範囲に多数の折れ戸を設置する場合には、全体の導入コストが大きくなる可能性があるため、予算計画の段階で考慮しておきましょう。
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折れ戸は、省スペース性や開口の広さ、上吊り構造による清掃性など多くのメリットがあります。一方で、指はさみや構造の複雑さにともなう故障リスクなど、安全面や耐久性に注意が必要です。設置時には、使用目的や設置場所に合わせた折れ戸を選定しましょう。
なお、折れ戸の設置を検討しており、どの製品を選べばよいかお悩みでしたら、ぜひ株式会社TOKOにご相談ください。豊富な経験と専門知識を持つスタッフが、設置場所に最適な折れ戸をご提案いたします。
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