「院内の動線が複雑で、患者が迷いやすいのではないか」
「限られたスペースを圧迫せず、効率の良い空間を実現したい」
病院の計画や改修において、このような悩みを抱えている方も多いでしょう。患者とスタッフの動きが交錯し、混乱を招いてはいないでしょうか。あるいは、バックヤードの音が待合室に漏れ、患者のストレスになっていないでしょうか。
本記事では、病院の導線設計が重要視される理由から、患者・スタッフ・裏動線という基本構造までを解説します。さらに、折戸や横引きシャッターが導線改善にどう貢献するか、エリア別の設計ポイントや実際の導入事例も紹介します。
病院空間に特化した折戸・横引きシャッターの設計・施工を設置するなら、「株式会社TOKO」もぜひご検討ください。
病院の導線設計が重要視されている理由

病院における動線設計は、単なる通路の計画ではありません。患者とスタッフの動きやすさが、医療の効率と安全性そのものを左右するためです。
病院内には、主に「患者動線」「スタッフ動線」「裏動線(物品やリネンなどの動線)」という3つの流れがあります。これらが整うことで、院内の混乱や不要な交差を防止可能です。
動線のわかりやすさは、そのまま院内の印象や患者満足度に大きく影響します。また、スタッフが患者と不要に交差しない動線を確保することは、業務効率の向上と、院内感染対策の両立にもつながります。
設計段階で、動線計画に加えて防音性や気密性、プライバシーへの配慮を組み込むことが、病院全体の信頼性向上につながるのです。
病院導線の基本構造【折戸・横引きシャッターが貢献できる動線設計】

病院の動線は、主に「患者動線」「スタッフ動線」「裏動線」の3つに分けられます。これらが明確に分離され、かつ機能的に連携していることが理想です。
- 患者動線:迷わず・ストレスなく移動できるか
- スタッフ動線:効率と安全が両立されているか
- 裏動線:接触を避けることで快適さが生まれているか
ここでは、それぞれの動線が持つべき機能と、可動間仕切りがどう貢献できるかを解説します。
患者動線:迷わず・ストレスなく移動できるか
患者動線で最も重要なのは、初めて来た人でも迷わず、ストレスなく目的の場所へ移動できるわかりやすさです。
折戸を活用することで、開放時に視界の抜けが生まれるため、進むべき方向が直感的にわかりやすくなります。また、横引きシャッターを活用すれば、受付時間外のエリアや立入禁止区域を柔らかく区画し、患者の迷いを防ぐ助けになります。
折戸が実現する大きな開口部は、車椅子やストレッチャーでの移動にも対応しやすい設計です。区画を明確にしながらも空間を広く見せられるため、病院特有の閉塞感を抑える効果も期待できます。動線が明瞭になることで、スタッフが案内する負担を軽減できる点も利点です。
スタッフ動線:効率と安全が両立されているか
スタッフ動線は、日々の業務効率と医療安全につながります。
例えば、バックヤードの入口に横引きシャッターを使えば、必要なときだけ開閉し、普段は患者エリアと明確に分離できます。折戸は開閉動作が少なく、開いた際の扉の飛び出し(可動域)も小さいため、業務中でもスムーズな移動が可能です。
患者動線との交差箇所に可動間仕切りを利用すれば、お互いの動線が干渉するのを防げます。備品搬入などで一時的に広い開口が必要な場面にも、折戸や横引きシャッターなら柔軟に対応可能です。実務の流れに合わせて空間を切り替えられ、安全性と効率性を高めます。
裏動線:接触を避けることで快適さが生まれているか
裏動線とは、カルテや備品、リネン類の運搬、あるいはスタッフの休憩スペースへの移動など、患者になるべく見せたくない動線のことです。
横引きシャッターでバックヤードを視覚的に遮断し、患者側から見えないようにすれば、院内の印象を整えられます。また、折戸は音漏れを抑えつつ、頻繁な出入りを妨げない設計も可能です。可動間仕切りとして使うことで、カルテ棚や倉庫スペースをコンパクトに整理することも可能です。
開閉のポイントを調整すれば、業務音が患者エリアに伝わりにくくなります。「見せない」「聞かせない」動線計画が、患者の心理的ストレスを軽減します。
折戸・横引きシャッターが病院の導線を変える3つのポイント

折戸や横引きシャッターは、単に空間を仕切るだけではありません。病院特有のニーズに応える機能性で、動線そのものを改善します。
- 開閉しやすさが動線のスムーズさを左右する
- 防音・気密性で裏動線を静かに守る
- 限られた空間でスペース効率を最大化する
ここでは、折戸・横引きシャッターが病院の導線を変える3つのポイントを紹介します。
開閉しやすさが動線のスムーズさを左右する
病院内では、人だけでなくストレッチャーや車椅子、配膳ワゴンなど、多様なものが行き交います。
折戸は、開閉時の可動域が小さく設計されているため、限られた通路幅でもスムーズな移動が可能です。ワンアクションで大開口を確保できるため、ストレッチャーや車椅子の通行も妨げにくい構造です。
また、横引きシャッターはスライド式のため、人や機材の流れを止めずに素早く開閉できるため、スタッフの動線効率を維持する上で役立ちます。緊急時の避難経路確保にも有効であり、安全性の高い設計を実現しています。
開口部を広くとれる設計により、視覚的な抜け感を生み、院内の圧迫感を軽減できるでしょう。
防音・気密性で“裏動線”を静かに守る
裏動線は、患者に見せない静かな作業空間であることが求められます。ここでは、折戸や横引きシャッターが持つ防音性能が有効です。
高気密な構造の製品を選べば、スタッフ同士の会話や医療機器の作動音、作業音を遮断し、患者空間への音漏れを防止できます。防音仕様の折戸は、スタッフルームやバックヤードでのプライバシー確保にも効果的です。
診察室やカウンセリングルームなど、特にプライバシーが求められる場所では、音漏れ対策が患者の安心感につながります。音漏れを防ぐことで、「安心感のある病院」という印象を強化できます。また、開閉部の隙間を最小化する設計は、衛生面の管理のしやすさにもつながります。
限られた空間でスペース効率を最大化する
都市部のクリニックや改修案件では、限られたスペースで動線を確保しなくてはなりません。
折戸は、開いた扉を壁面側にすっきりと収納できるタイプもあります。開閉時のデッドスペースを削減できるため、狭いエリアでも動線を確保しやすくなります。横引きシャッターはレール上を移動するため、機材の搬入や清掃時にも床面に障害が少なく、スムーズな作業が可能です。
開閉をコントロールすることで、バックヤードや処置スペースを必要に応じて柔軟に拡張したり、分割したりできます。病院の改修や将来的なレイアウト変更にも対応しやすく、長期的なコストを抑制することにもつながります。
【エリア別】折戸・横引きシャッターで実現する病院の導線設計

病院の動線設計は、エリアごとに求められる機能が異なります。ここでは、主要なエリア別に、折戸や横引きシャッターがどのように貢献できるかを解説します。
- 受付・待合室:視線配慮と安心感を両立
- 診察室・処置室:プライバシーと動線短縮
- バックヤード・スタッフルーム:裏動線の静音設計
それぞれの場所で、患者とスタッフ双方の快適性を高める工夫を見ていきましょう。
受付・待合室:視線配慮と安心感を両立
受付と待合スペースは、病院の「顔」ともいえるエリアであるため、患者同士が「姿は見えるが視線は合わない」配置が理想です。
折戸を活用して受付エリアを必要時に仕切れば、例えば混雑時や、プライバシーに配慮が必要な相談時にも柔軟に対応できます。待合室から診察室への動線を明確にすることで、初めて来院した患者が迷わず移動できる構造を実現します。
適度な開放性と、視線を遮る遮蔽性のバランスにより、安心感と清潔感のある空間を形成できるのです。また、音漏れ防止に配慮した折戸や間仕切りを使えば、受付での会話が待合室に漏れるのを防ぎ、プライバシーを守れます。
診察室・処置室:プライバシーと動線短縮
診察室や処置室では、プライバシーの確保が最優先されると同時に、診察から検査、処置への流れをスムーズにする動線の短縮も求められます。
折戸で空間を柔軟に仕切れば、診察・検査・処置の一連の流れを短縮するレイアウトも可能です。視覚的、音響的な遮蔽効果により、診察中の会話や処置内容が外部に漏れず、患者のプライバシーを確保します。
横引きシャッターを利用して開閉部を設ければ、スタッフの動線と患者の動線を明確に分離できます。防音性能を備えた開口部を選ぶことで、患者の安心感を高めつつ、スタッフの業務効率を維持します。限られた面積でも柔軟な動線設計を実現できるのが、可動間仕切りの利点です。
バックヤード・スタッフルーム:裏動線の静音設計
バックヤードやスタッフルームは、スタッフが効率よく作業し、時には休息をとるための重要な空間です。
折戸や横引きシャッターを使用することで、スタッフ専用の動線を患者エリアから明確に区分できます。音漏れ防止構造の製品を採用すれば、バックヤードからの会話や物音を遮断できます。
裏動線を静かに保つことは、待合室や病室で過ごす患者の心理的ストレスを軽減するために重要です。また、清掃のしやすさや換気性能を両立した折戸の素材を選ぶことで、衛生的な環境を維持しやすくなります。
院長室やスタッフルームのプライバシーを確保し、スタッフがリラックスできる空間づくりにも役立ちます。
折戸・横引きシャッターが病院の導線を改善した事例3選

ここでは、実際に折戸や横引きシャッターを導入し、病院の動線改善に成功した事例を3つ紹介します。
- 東京医科歯科大学病院|ICUでのプライバシーと動線の両立
- 南大阪病院|柔軟な空間分割で治療動線を効率化
- 医療介護複合施設 コムフォンテ咲花|限られたスペースでスムーズな導線設計
それぞれの施設が抱えていた課題と、その解決方法をご覧ください。
東京医科歯科大学病院|ICUでのプライバシーと動線の両立
東京医科歯科大学病院では、ICU(集中治療室)のベッド間に折戸を導入し、必要に応じて空間を個室化したり、開放したりと柔軟な切り替えを可能にしました。
緊急時にはワンアクションで全開にでき、医療スタッフの移動やストレッチャーの搬送をスムーズに行えます。パネルには不透明な素材を採用し、視覚的なプライバシーを確保しながらも、上部から光を取り入れる設計になっています。
患者の安心感と、治療環境に必要な静けさの向上に貢献しています。また、ノンレール設計により床の段差を解消し、スタッフの安全な動線も確保しています。
南大阪病院|柔軟な空間分割で治療動線を効率化
南大阪病院では、ICUエリアに「らくなーざ框ドア付」折戸を導入し、患者の搬送やスタッフの出入りをスムーズに改善しました。
この折戸は開閉の可動域が広く、必要に応じて治療空間と動線を即座に再構成できます。折戸を閉じれば、空間を隔離室として使用でき、感染リスクの軽減にも役立ちます。
素材に透明なパネルを使用しているため、閉じた状態でも視認性を維持しつつ、作業エリアを確実に分離できます。この導入により、医療スタッフの作業効率と安全性が共に向上しました。
参考:南大阪病院 | 施工事例
医療介護複合施設 コムフォンテ咲花|限られたスペースでスムーズな導線設計
医療介護複合施設「コムフォンテ咲花」では、スリムタイプの透明な折戸シャッターを採用し、開閉時のデッドスペースを解消しました。
調理場と配膳室の間の動線を広く取ることで、配膳ワゴンやスタッフの移動をスムーズにしました。清掃しやすい設計で衛生管理にも配慮しており、施設内の衛生レベル維持に貢献しています。
明るく開放的な空間を保ちながら、利用者の安全と視認性を確保しています。視覚的な抜け感が、利用者に安心感と快適さをもたらしています。
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病院の導線設計は、患者の迷いやストレスを防ぎ、スタッフの業務効率や安全性を高める重要な要素です。
動線は「患者・スタッフ・裏動線」の3つを明確に分離しつつ連携させることが理想であり、折戸や横引きシャッターは開口の広さ、防音性、柔軟な空間分割によって導線を最適化します。受付・診察室・バックヤードなど各エリアで適切に活用することで、快適で安心できる院内環境を実現できます。
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