引戸と折戸の違いを徹底解説|メリット・デメリットや最適な選び方・導入事例5選を紹介

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「引戸と折戸のどちらを採用すべきか判断できない」

「施設の用途や利用者に合った建具選定のポイントが知りたい」

記事を読んでいる方の中には、提示した悩みを抱えている方もいるでしょう。

引戸は扉を横に滑らせて開閉する構造をもち、折戸は複数の扉を折りたたむことで開口部を大きく広げる仕組みを指します。設置する場所の広さや、利用する人の動線に合わせて選ぶことで、日々の使い心地は大きく変わります。

本記事は、引戸と折戸の違いやそれぞれのメリット・デメリット、選び方の基準、そして実際の導入事例を詳しくご紹介します。

引戸・折戸にお悩みなら、株式会社TOKOへご相談ください。

株式会社TOKO

引戸と折戸の違い

引戸と折戸の違い

引戸と折戸は、扉の開き方や必要なスペースにおいて、次のような違いがあります。

比較項目 引戸 折戸
開閉方式 扉を横にスライドさせて開閉する 複数の扉を折りたたむことで開閉する構造
必要なスペース 扉を動かすために、壁に引き込むスペースが必要 開口部前後の空間で完結するため、構造の柔軟性が高い
仕組み(タイプ) 上吊り式/レール式がある 上吊り式/レール式がある
向いている開口サイズ より大型開口に適している 大型開口よりも、開放感や使い勝手重視のケースで選ばれやすい
性能の特徴 遮音性・気密性に優れる 開放感・視認性・導線の柔軟性に強みがある
開けたときの収まり 開け放しにしても邪魔になりにくく、空間を広く見せやすい 開けた際に扉が飛び出すためスペースが必要になる場合がある

引戸は壁に扉を逃がす場所が必要となる一方、折戸は折りたたむ機構により、壁の長さに左右されず設置できる柔軟性をもっています。それぞれの仕組みを理解することが、目的に合う建具選びの第一歩となるでしょう。

引戸を導入することで得られる3つのメリット

引戸を導入することで得られる3つのメリット

引戸を取り入れることで得られる主な3つの長所を詳しく解説します。

  • 開閉時にデッドスペースが生まれず、通路幅の確保に強い
  • 車椅子・高齢者にも優しいシームレスな動線設計が可能になる
  • 設置の自由度やレイアウト変更への柔軟性が高まる

建具を選ぶ際の参考にしてください。

開閉時にデッドスペースが生まれず、通路幅の確保に強い

扉を横に滑らせて開け閉めするため、扉が前後に動く軌道を作る必要がありません。スペースの限られたエリアであっても、通路の幅を広く保てるため、場所の制約を受けにくい点が特徴です。

扉が手前や奥にせり出さないため、人通りの多い廊下や狭い入り口であっても、通行を邪魔せずに安心して利用できるでしょう。通路を塞ぐ心配がなく、限られた面積を有効に活用できる利点があります。

車椅子・高齢者にも優しいシームレスな動線設計が可能になる

床にレールのない上吊り式の製品を選択すれば、足元の段差をなくし、移動の安全を確保しやすくなります。長い取手を設置することで、握力の弱い利用者であっても軽い力で扉を動かせるようになるでしょう。

扉を開ける際の体の移動を最小限に抑えられるため、車椅子の方や高齢者の移動負担を減らすことにつながります。足元の引っかかりを気にせずスムーズに通り抜けられる環境が、バリアフリーな空間を支えます。

設置の自由度やレイアウト変更への柔軟性が高まる

壁の外側にレールを取り付けるアウトセット型などの製品を選べば、改修の際の後付けにも柔軟に対応できます。戸袋を壁の中に作る「引き込み戸」を採用することで、扉を開けた状態でも空間の広がりを損ないません。

部屋の形や用途に合わせて、片引きや引分けなど多彩な開け方を選択できる点も大きな魅力です。状況に応じた細やかな設計ができるため、将来のレイアウト変更を見据えた運用にも役立つでしょう。

引戸を導入するデメリット

引戸を導入するデメリット

引戸は開閉がスムーズで便利な一方、導入前に押さえるべき次のデメリットもあります。

  • 遮音性・気密性が低くなりやすい
  • 壁面確保が必要で設置の自由度が下がる
  • 壁の長さ次第で導入できない場合がある
  • レール型は掃除の手間が増えやすい

まず、開き戸と比べて遮音性・気密性が低く、音漏れや断熱性の低下が起きやすい点に注意が必要です。また、引き込みスペースや壁面の確保が必須となり、電源やスイッチの設置が制限されることがあります。

設置場所によっては十分な壁の長さを確保できず、引戸自体を導入できないケースもあります。さらに、レール型は埃が溜まりやすく、掃除の手間がかかりやすい点も把握しておきましょう。

折戸を導入することで得られる3つのメリット

折戸を導入することで得られる3つのメリット

折戸を導入することで得られる優れた3つの利点について紹介します。

  • 開口部を最大限に活用し、利用者の通行がスムーズになる
  • 扉の出幅が少なく、狭い場所でも高い有効性を発揮する
  • バリアフリー対応にも適している
  • 施設に開放感をもたらすための手段として検討してください。

開口部を最大限に活用し、利用者の動線がスムーズになる

扉を端に寄せられるため、左右の幅をいっぱいに使った広い通路を確保できます。複数の扉が折りたたまれる仕組みにより、中に収納されている物の確認や取り出しが簡単に可能です。

広い間口を一度に作れるため、部屋を分ける仕切りとして使えば、状況に合わせた空間の切り替えを素早く行えます。視界を遮る柱を減らせるため、圧倒的な開放感を生み出したい場面で非常に役立ちます。人の流れを止めずに、大人数での移動もスムーズに促せるようになるでしょう。

扉の出幅が少なく、狭い場所でも高い有効性を発揮する

開け閉めの際に扉が動く範囲が狭いため、限られた広さの場所でも家具などとぶつかる心配を減らせます。片開きの扉と比べても動く面積が3分の1以下で済む製品もあり、狭いトイレや収納スペースなどでの利用に有効です。

通路を確保しにくい小さな部屋であっても、扉の飛び出しを気にせずに活用できる利点があります。スペースを無駄なく使い切りたい場合には、折戸のコンパクトな動きが大きな助けとなるでしょう。場所を選ばずに設置できる機動力の高さが、設計の幅を広げます。

バリアフリー対応にも適している

床を平らに保てる上吊り式の製品を選べば、車椅子を利用する方でも足元の引っかかりを気にせず移動できます。指を挟みにくい設計や、ゆっくり閉まる機能など、安全を守るための工夫が施された製品も増えています。

軽い操作で扱えるため、力の弱い方や高齢者であっても無理なく開け閉めを行えるでしょう。開口部を広く取れる特性を活かせば、介助が必要な場面でもゆとりをもって通行できるようになります。安心感を高めるための配慮が、利用者の満足度向上につながるでしょう。

折戸を導入するデメリット

折戸を導入するデメリット

折戸は開放感を得やすい一方で、導入前に把握しておきたいデメリットもあります。

  • 扉の厚みが開口部に残る
  • 故障や摩耗のリスクが高い
  • 下レールで床に溝ができる場合がある
  • 引戸よりコストが高くなりやすい

まず、折りたたんだ際に扉の厚み分が開口部に残るため、完全にフルオープンにならないケースがあります。また、構造が複雑な分、故障のリスクや部品の摩耗が高くなりやすい点にも注意が必要です。

さらに、間仕切り戸では下レールが必要な設計もあり、床に溝が生じる場合があります。引戸と比べると、コストがやや高くなる傾向もあります。

施設の目的や運用状況に応じた最適な選定基準

施設の目的や運用状況に応じた最適な選定基準

建具を選ぶ際には、利用する人の特徴や環境に合わせた判断が必要です。

  • 設置場所の優先事項を明確にする
  • 素材・デザイン・色彩で空間の印象を操作する
  • コスト・メンテナンス性を確認する

紹介する基準を参考にして、目的を果たすための製品を選びましょう。

設置場所の優先事項を明確にする

使う人の年齢や、必要となる通路の幅に合わせて、建具の形を選ぶことが大切です。普段の使う回数や、どれくらいプライバシーを守りたいかといった要望を整理してください。周囲の視線を遮り、音漏れを防ぎたい場所では引戸を選ぶことが有効な手段となります。

開放感を出し、視界を広げて交流を促したい場面では折戸を選ぶことで期待する状態を作り出せるでしょう。何を最も大切にしたいかを明確にすることが、失敗しない建具選びの鍵となります。

素材・デザイン・色彩で空間の印象を操作する

引戸も折戸も、木や金属、樹脂など多様な材料から選ぶことができます。施設の雰囲気を壊さないように、壁や床の色に合わせた質感の製品を選んでください。

ガラスや半透明のパネルを用いることで、扉を閉じた状態でも光を取り入れ、明るい印象を与えることが可能です。

使う素材によって部屋の居心地は大きく変わるため、慎重な検討が求められます。訪れる人が心地よく過ごせるように、デザインと機能の両面からアプローチしましょう。

コスト・メンテナンス性を確認する

折戸は動く部品が多く、定期的な点検の手間がかかりやすい面がありますが、手入れが楽になった製品も登場しています。引戸は仕組みが単純であるため、壊れにくく、掃除の手間も抑えられる傾向にあります。

設置にかかる費用は、一般的な引戸よりも、天井から吊るタイプや折戸のほうが上がりやすい点を覚えておきましょう。

長い目で見て、管理にかけられる時間や予算に合うかどうかを判断してください。導入時の安さだけでなく、数年後の維持管理まで含めたシミュレーションが大切です。

折戸を導入して成功した事例5選

折戸を導入して成功した事例5選

折戸を採用することで、使い勝手や空間の魅力を引き出した5つの成功例を紹介します。

  • 中央こども園|大開口とフラット下枠で安全性と開放感を両立
  • 葵の園・松戸東|中庭と一体化し、療養者の心地よい環境を創出
  • あゆみが丘学園|雨水対策と開放性で、屋内外イベントに対応
  • 江東区立某学校|操作性と木質感で地域開放にも活用可能な空間に
  • BEEVALLEY YOYOGIUEHARA|地下空間を明るく、開放的なパーティールームに

それぞれの事例にある工夫を、自身の計画に役立ててください。

中央こども園|大開口とフラット下枠で安全性と開放感を両立

中央こども園|大開口とフラット下枠で安全性と開放感を両立

画像:株式会社TOKO 公式サイト

子どもたちが安全に過ごせるよう、足元の段差をなくしたフラットな設計を採用しました。園児たちが元気に走り回ってもつまずく心配がなく、保護者からも安心して過ごせると好評を得ています。

扉を広く開けられるため、園舎にダイナミックな開放感が生まれ、のびのびとした保育が可能になりました。安全面での配慮が評価され、設計者からの信頼も厚い成功例といえます。

本事例をより詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

関連記事:お客様のニーズにマッチしており、毎回安心して提案できます | 設計者の声

葵の園・松戸東|中庭と一体化し、療養者の心地よい環境を創出

葵の園・松戸東|中庭と一体化し、療養者の心地よい環境を創出

画像:株式会社TOKO 公式サイト

室内にいながら中庭の自然を身近に感じられるよう、屋内外を一体にする設計を目指しました。全開にしたときの広い間口により、療養している方々が季節の移り変わりを肌で感じられるようになっています。

自然とのつながりをもつ空間は、そこで過ごす人の心を穏やかにする助けとなるでしょう。木目調の質感を選べる製品であれば、より温かみのある雰囲気を演出することも可能です。

本事例をより詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

関連記事:建物内部と外部の一体感がとても印象的 | 設計者の声

あゆみが丘学園|雨水対策と開放性で、屋内外イベントに対応

あゆみが丘学園|雨水対策と開放性で、屋内外イベントに対応

画像:株式会社TOKO 公式サイト

3メートルの高さをもつ大きな開口部を作り、イベントの際に多くの人が集まりやすい環境を整えました。足元には雨水の浸入を防ぐ特別な工夫が施されており、天候が悪い日であっても室内の安全が守られます。

車椅子を利用する方であっても、室内から外のイベントへそのまま参加できるスムーズな動線が完成しました。悪天候への強さと使いやすさを兼ね備えた、頼もしい空間設計となっています。

本事例をより詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

関連記事:大雨の吹込みでも雨水が侵入しないから安心 | 設計者の声

江東区立某学校|操作性と木質感で地域開放にも活用可能な空間に

江東区立某学校|操作性と木質感で地域開放にも活用可能な空間に

画像:株式会社TOKO 公式サイト

体育館の仕切りや防球柵として折戸を導入し、複数の用途に対応できる柔軟な空間を作り上げました。操作が非常に軽いため、使う人の負担が少なく、地域に施設を開放する際にも役立っています。

木の質感をもつ製品を選んだことで、教育の場にふさわしい落ち着いた印象を与えることに成功しました。自由な設計を可能にする製品の力が、公共性の高い建物の価値を支えています。

本事例をより詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

関連記事:設計の意図通りで大変満足 | 設計者の声

BEEVALLEY YOYOGIUEHARA|地下空間を明るく、開放的なパーティールームに

BEEVALLEY YOYOGIUEHARA|地下空間を明るく、開放的なパーティールームに

画像:株式会社TOKO 公式サイト

地下特有の閉塞感をなくすために、外からの光を取り込む大きな折戸を設置しました。全開にできる仕組みにより、地下であっても自然な光が差し込み、風が通り抜ける快適な場所へと生まれ変わっています。

利用する方の満足度も高く、設計者の意図を正確に形にした事例といえるでしょう。採光と換気を同時に叶えることで、地下室の価値を大きく引き出しています。

本事例をより詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

関連記事:設計の意図通りで大変満足 | 設計者の声

引戸・折戸にお悩みなら「株式会社TOKO」へご相談ください!

引戸・折戸にお悩みなら「株式会社TOKO」へご相談ください!

引戸はスペースを無駄にせず安定して使えるため、決まった動きを求める施設に向いています。一方で折戸は、大きな開口部を作り、自由な動線を設計できるため、空間の演出を重視したい場所に有効な手段です。施設の目的や使う人の特徴を整理し、状況に合う建具を選びましょう。

自分たちの建物にどの形式が合うか判断に迷う際は、ぜひ株式会社TOKOへお問い合わせください。経験豊富な視点から、より良い運用のための最適な環境づくりをお手伝いいたします。

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